自分がそうであるように、人には人生で学ぶべき課題となっているものは、少なくとも1つはあるような気がします。
それが何であるのかは、なかなかわからないものです。
何度も同じような状況におちいって、立ち往生するうちに、ようやく自分の置かれる立場がいつも同じであることに気づくものです。
なぜ、いつもこうであるのか?と。
例えば以前に、何の理由も見当たらないのにイライラしていて、ちょっとでも思うように行かないと腹を立て悪態をついている自分に気づくことが度々ありました。
思い返すと、そんなことが過去にも頻繁にあったことを知って唖然としました。
いても立ってもいられない心境で「これはいったい、どういうことなのだろうか」「なぜ自分はイライラしているのだろうか」と真剣に考え込んでいました。
しかし結局、その理由がよくわからずに、そのときはそのままやり過ごしてしまいました。
その後、その理由らしいことを見つけて納得した記憶があります。その内容を思い出そうとするのですが、それが浮かんで来ないのです。
もともと人間は心に満たされぬものを持って生まれ出た、という意味のことだったように思います。
自分にとって、満たされずにイライラの原因となっているものが何であるのか、ようやくわかりかけて来ました。
物心ついてからこれまで、家族も含めて人に心から信頼を寄せるということが自分には皆無であったことです。
そのことがわかっただけで、それ以降はずいぶんと救われました。問題がはっきりしただけで、半分以上は片づいたのも同然だからです。
どんな不信にかられるようなことがあっても、多少の動揺はするものの、すぐさま静まっていくのです。
また、イラつくことが完全になくなったわけではありませんが、人をさんざん裁いて来た自分には、戻れなくなっていました。
課題がわかったので、あとは焦らずじっくりと、その課題と付き合って行けばいいのだと思いました。