独りではない

 

孤独という言葉がありますが、人間は決して独りぼっちではないと思います。

孤独だったというのはただ、もう一人の自分がいたことに気づけなかっただけなのです。

 

このもう一人の自分とは、ほんとうの自分のことであり魂とか良心などと言ったりする存在のことだと思っています。

自分を客観視できるのも、この存在が関与しているような気がします。

 

もちろん、ふだんは何か言ったり書いたり食べたりする、この自分だけが、自分だと思って過ごしています。

しかしあるとき、自分の内面にしばらく意識を向けていると、片すみでじっと観察するものがいる気配がしました。

それは、ただそこにいるだけ、という感じでした。

 

のちにわかったことは、誰にでも内面の奥深くには、その人を見守るその人自身が必ずいるということです。

それ以来、どんなに親しい間柄であっても、その人のことを過度に心配したり関わったりせずに、当人のことは当人自身にすべて任せるようにしました。

 

自分がそうであるように、どんな人もそれぞれ自分自身への道を歩んでいる途上に、いまいるということを忘れてはならないと思います。

それに自分の意志でしか、自分自身に連れて行くことはできないこと。当人をおいてほかに連れて行けるものは、誰もいないということです。

 

人の歩む姿勢などを参考にすることはあったとしても、自分で自分を励まし、自分自身に励まされながら、手探りで前へ進んでいくしかないと思うのです。